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「基準価格」と呼ばれて・・・

 

 よく「基準価格」と呼び間違われる「基準価額」。『投資信託において、基準価額とは何を指していて、何が要因となって変動するのでしょうか。また、どこでその情報を入手できますか。』という質問がありました。以下の説明はETF(上場投資信託)ではなく一般的な投資信託の話となります。よって、基準価額とは投資信託を売買する際の値段で、1日に一回決まるものを指します。
⇒「 なぜ、基準価格といわないのか?」「基準価額で割高・割安といわない理由」などは、Youtube動画:「基準価額」とは(3分アンスタディング!from おかねのようちえん)をご覧ください。

基準価額の算出方法

基準価額の算出方法は下記、式の通りになります。

 純資産総額 ÷ 受益権口数 = 基準価額・・・①

ここで「純資産総額」とは“ファンドの残高”のこと、「受益権口数」とは“ファンドの全部の口数(総口数)”だと思ってください。そして「純資産総額」のことを「純資産残高」という方もいます。

⇒少し詳しく説明すると、「純資産総額」とは投資している有価証券(時価評価)に債券利息、株式配当金等を加えた『資産総額』から、未払収益分配金(投資信託から支払予定の分配金)や未払報酬(投資信託から支払予定の信託報酬)などの『負債総額』を差し引いた『時価総額(正味財産)』になります。

基準価額の変動要因について

 上記①より純資産総額が増えることなく受益権口数が増えることはないので、基準価額の変動要因は“純資産総額”の影響となります。そして、この純資産総額に一番大きな影響を及ぼしているのは、ファンドが投資する有価証券の時価評価になります。さらに、その投資先が海外証券であれば、為替要因(ヘッジありならばプレミアム or コスト)も加わります。ただし、先述の純資産総額を分解をした通り、それらがいろいろ組み合わさった結果で変動しているということになります。

 全ファンドではありませんが、月次レポートに『基準価額の変動要因』という欄があると思うので、それをみれば理解できると思います。

【図の解説】
 ここでの「分配金」とは、当該ファンドが払い出す分配金のことです。次に「その他」ですが、これは明確な詳細項目あるというよりは、基準価額騰落率である“▲56円”と「株式要因~分配金」までを加えた“▲54円”との差(▲56円-▲54円=▲2円)となっているすべての誤差を吸収していると思ってください。

基準価額情報の入手経路

 基準価額ですが、国内籍投資信託であれば実は18~19時くらいには運用会社(投資信託会社)と信託銀行で算出され、『運用会社』が確定値を公表しています。そのデータを展開することで各販売会社(取扱金融機関)が把握することができ、各販売会社はそのデータをバッチ処理(データがくるたびに更新処理するのでなく、処理時間を決めてそれまでに届いたデータを一気に更新処理する)することで、『各販売会社』サイトに表示されるというのが一般的だと思います。そして昔ながらの『新聞』での確認という順になります。
 『新聞』の場合は、運用会社や各販売会社のサイトに比べて公表時間が遅くなるだけでなく、新聞に掲載される際、販売会社毎ではなく運用会社別、且つ、日本経済新聞の場合だとファンド名が全角6文字以内の略称となっているため、ファンドの本数が6,000本近くある現在では、運用会社ごとに分かれていても探しづらいという難点もあります。

 よって、開示スピード順に並べると…

 ❶ 当該ファンドを設定している運用会社(投資信託会社)のサイトで確認できます(当日19時頃)。

 ❷ 当該ファンドを取り扱っている金融機関 or 投信評価会社で確認ができます(当日22時前後)。

 ❸ 翌朝の新聞で(❶❷で発表した基準価額を)確認できます(翌日5時頃)。

になります。ちなみに外国籍投資信託(国内籍投資信託の海外投資ではありません!)の場合は、❶が国内の会社ではないことから毎日評価を把握するには❷しかありません。また、新聞の場合は全ての新聞で把握できるとは限りません。

おまけ

(やらないとは思いますが)基準価額 × 受益権口数 ≠ 純資産総額と逆算すると答えは一致しません。理由は、先述の①で基準価額を計算において小数点以下の部分を整数にしているためです。だから、逆算した純資産総額は概算値という扱いになります。
 また、ファンドの識別には株式でいう銘柄コード(4桁)は存在しますが、投信協会コード(8桁)もしくはEDINETコード(6桁)とどちらも一般的ではありません。ちなみに、投信協会コードの8桁には、運用会社や設定月などが判別できるよう一定の規則に基づいてコードが付いています。