TikTok および YouTubeショートにて、毎日14時頃、その日の注目銘柄を増田足で確認する「どうなる?〇〇シリーズ」を配信中!

子育て世代の投資のスタートを考える

 新NISAスタートまであと3ヶ月になりました。これを機に「投資」や「資産形成」を始めたりしようと思っている方も多いのではないでしょうか?とはいえ、どうやって始めたらよいか分からないのでいろいろと調べたりしていることでしょう。その際、金融機関やIFA、FP主催の無料セミナーが開催されていますし、SNSや書籍であれば費用面だけでなく、いつでも自分の好きな時間にできます。これだけ、勉強する方法が揃っているので、これで資産形成は万全のようですが、本当にそうなのでしょうか?
 「時間」も「お金」も何かと入用な子育て世代にとっては、「コスパ(コストパフォーマンス)」と「タイパ(タイムパフォーマンス)」は何をするにも重要なキーワードになっています。この辺も鑑みて、投資に必要な知識を得るためにどうするのがよいかを整理してみたいと思います。

無料(タダ)ほど高いものはない

 証券会社や銀行、保険会社などの金融機関やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)、FP(ファイナンシャルプランナー)が主催する“投資セミナー”というのがあります。これらは“無料”で行われるので、一見、お得なような気になります。しかし、“無料”であるのには当然、何らかの理由があるからです。それは金融機関やIFAの場合、セミナーを有料にするよりも、セミナーで集客した方から金融商品の販売手数料や仲介料によって、もっと多額の収入を得ることができる可能性があるからで、FPであっても同様に相談料を得ることに繋がるからです。

 ということで、このような無料セミナーでは、その次に控えている販売手数料や相談料などに繋げるトークをしているのです。販売側にいた人間として言わせてもらえば、決して、最初から販売する為だけの話をしているわけではなく、最後の着地点が商品販売などに行きついてしまうので、それがあなたにとってのゴール地点なのかは微妙にズレていることもあるということです。

投資スクールは数多あるけど…

 昨今、大人の習い事にもいろいろありますが「投資スクール」なるものがあります。実際に「投資スクール」で探してみると、株式投資やFX(為替取引)だけでなく不動産投資、なかには怪しげなスクールなども存在しています。そんななか、収益を短期間で上げられそうな“気になる”株式やFXでのトレーディング系のスクールは特に多く、その対極にある銘柄選定を教えるようなスクールもそれなりに人気があるようです。また、このようなスクール側にとっても成果を表しやすいので、商売するうえでの生命線となる「集客がしやすい」というメリットがあります。ところで、意外と(長期投資での)資産形成スクールや投資信託(ファンド)のスクールというのをあまり見かけないと思いませんか?

 これは私見ですが、資産形成の成否には長期間の時間が必要なので、トレーディング系スクールで説明したような顧客側のニーズもスクール側のメリットもないことで、商売に繋がりにくいというのがあるのだと思います。同様に投資信託も本来は、短期間でトレーディングをするような金融商品ではないので、資産形成スクールが無いように投資信託スクールというものもあまり存在しないということに繋がっていると思います。だから、この隙間を金融機関などが無料セミナーとして埋めてくれて商売に繋げているとも言えるでしょう。
 さて、資産形成や投資信託のスクールですが、まったく存在しない訳ではなく、そのようなスクールでは商品販売などに繋げないなどの“中立性”を売り文句にしています。となると、スクール側の運営はどうしているの?と思いますが、それなりに高額な費用になるようです。また、高額に設定しても存在自体がレアな部分が助けてくれる面もあるでしょう。しかし、株式やFXと違って投資信託で高い授業料を払ってしまうと、それを取り返すのに一体いくらの時間を費やすのかを考える必要があるということです。
 長期での資産形成には、ファンドを活用して、より多くの時間をかけるというのがセオリーです。もしも、30万円の授業料を払ったとして、100万円を元手に投資信託で運用しようと思うならば、すでに30%のハンデを背負ってのスタートになるわけです。株式やFXならば、すぐに取り返す可能性はあるでしょう。しかし、長年ファンドを見ていた私からすると、まずこれを投資信託だけで1年で取り返すには不可能なレベルです。「新NISAでつみたて投資枠を使って資産形成を…」と考えた人にとっては、月1万円積み立てるつもりだとしたら30ヶ月分は授業料に充てているのと同じで、金額だけでなく時間を無駄に消費(浪費)しているのにほかなりませんそして、この手のスクールを運営している側からすると、株式やFXなどのスクールも運営していることが多く、それらとの価格対比で極端に安くもできない事情があるのでしょう。

いまでは情報も数多あるけど…

 無料で中立的な方法で勉強したいとなると、やはり書籍やSNSに行きつくでしょう。セミナーへの参加には時間の制約もあるので、自分が好きな時間に勉強ができる書籍やSNSにはメリットがありそうです。ただ、情報がいろいろと溢れている分、自分で整理としないといけないというデメリットがある点にはあまり触れられていません。もともと知識を身に付けるのに勉強しようとしている人に自分で整理しろ!というのは、難しくないですか?
 そもそもヒトの性質として“理解した!”とすぐ思いたくなるというのがあるので、本来、知っておくべきことを知らないままにしてしまうことが十分あるわけです。

 SNSでは、投資信託の優劣を「信託報酬」という一律で比較できる指標“だけ”を使って優劣を述べている方が多くいらっしゃいます。理由は簡単で情報発信側がプロでなくても言えることだからです。この情報で投資信託を購入する行為は、自動車を燃費だけで購入するようなもので、本来は最初に気にすべき用途や使用環境、安全性能、車庫の大きさなどを無視してるようなものなのです。
 ほかにも「純資産額(残高)が多い方が良い」というのをみますが、必ずしもそうとは限りませんし、「シャープレシオ」という指標については解説だと「1以上が良い」とされていますが、この指標を用いて全ファンドを比較することはナンセンスだったり、仮にシャープレシオが「5」となった時にそれを良しとするかの判断なども必要なのです。
 SNSの情報は、投資経験者の情報かもしれませんが、必ずしも金融のプロとは限りません。とはいえ、プロだからと言って必ず儲かるというほど金融の世界は甘くありません。すべては結果論でしかないのですが、少なくとも知っておくべきことは知ったうえで投資を始めるべきなのです。なぜならば、金融の世界はプロとアマが同じ土俵に立って投資を行う世界であり、知識があるものとないものが一緒に戦うべき場所であるからです。

最後に

 いまの状況、ほとんどの人が資産形成をしなければいけない時代になってきました。それを後押しするため、国は「新NISA」という資産形成に適した制度に改良しました。一方で、そのために必要な知識まで自助努力になってしまっているので、困ってしまいます。
 特に子育て世代である20代後半から40代にかけては、なにかとお金も時間も必要です。それらを無駄にしないで、資産形成に最低限必要な知識を得るために、コスト削減優先で無料セミナーやSNSなどだけで情報を得るのが良いのか、時間優先で正しい知識を得ないまま投資を始めるのが良いのか、はたまたどちらのバランスもとりつつ無駄なコストと時間は使わない方法を選択するのかは、あなた次第なのです。

~追記(これはCMです)~
ア/ン/ス/タでは、このような点を考慮したセミナーを行っています。ご興味がある方は、下記リンクから。
https://www.j-il.com/lp/hajimete-s001/