TikTok および YouTubeショートにて、毎日14時頃、その日の注目銘柄を増田足で確認する「どうなる?〇〇シリーズ」を配信中!

投資におけるリスクコントロールの整理(1)

 投資の世界における「リスク」とは「期待した通りにならない」と同義語であることは、これをご覧になっているみなさんであれば既にご存じかと思います。ただ、このことを文字(言葉)で理解しているせいか、“実際の投資行動”とリスクコントロール方法がマッチしていないというケースを見かけます。
 そこで、マーケットが不透明になりつつあるこの時期、投資方法とリスクコントロールについて、改めて整理しておきたいと思います。

投資期間を整える

  そもそも、投資するにあたって「短期」なのか「中長期」なのかという話になります。ところが「短期」や「中長期」といった世の中の全員が共通認識となっている期間の長さは、実はありそうで存在しないのです。

 例えば、「短期投資」といっても株式投資がメインの方ならば1日も満たない時間を思い浮かべる人もいるでしょうし、日足や週足という期間をイメージされる方もいるでしょう。また、債券投資がメインの方であれば1年以内、投資信託やファンドラップ、ロボアド(ロボットアドバイザー)がメインの方だと、もはや3〜5年程度では短すぎると思う方がいるかもしれません。
 ここからの話ですが、株式投資でのトレーディングのような運用を短期投資、投資信託を活用した資産形成のような運用を中長期投資として考えてください。

短期投資におけるリスクコントロールとは

  「株価とは何か?」と改めて問われると、「どうやって説明しようかなぁ?」と少し悩むことはありませんか?私ならば「いろいろな要因を考慮した結果、“株を買いたい”という需要側が希望する株の値段と、“株を売りたい”という供給側が希望する株の値段が合致することで売買が成り立った時の価格」と説明するでしょう。
 このように株取引は株価をもとに行われるわけですが、個人投資家が短期間で株式投資をおこなう場合、さまざまな情報や専門的な知識と労力を必要とするファンダメンタル分析よりテクニカル分析でのトレードのほうが簡単だと一般的にはいわれています。実際のところ、みなさんはどうでしょうか?

  いま、「これから株価が上がる!」と判断した銘柄をあなたが購入したとしましょう。当然ですが、その株価はあなたが購入した後も上昇もしくは下降といった値動きを続けているはずです。もしも、あなたが購入した株価より下がっているのであれば、もっと下がってから購入することがより良い結果をもたらしたはずなので、その銘柄に対するあなたの判断は間違っていたということになります。道を間違ったときは、すぐに正しい道に引き返すでしょう。ところが「投資」になると、自分が正しいと判断したことに対して間違いだったと認めることができないといった投資家心理によって、判断を間違って購入した株式を手放すことができず、結果的に “塩漬け株”になってしまうということになりがちです。

 さて、話を戻します。
 実はこの方法、勝率が悪くなる可能性が高まる行為だともいえます。なぜならば、塩漬け株を作る行為と比較すると負けを認めるからです。ただ、投資における本来の目的は収益の最大化です。結果的に損失が少額のうちに判断ミスを認めて投資をやり直す方が、ミスを認めずに損失額を拡大してしまう方が取り返すことすら難しくなってしまうということです。
 短期投資の場合、塩漬け株をつくることがないようにするには、人為的な間違いを排除するためにロスカットラインを設定するのが有効な手段になります。そして、もう一度、新しい判断をもとにマーケットに入り直すという手段をとることが最善となるわけです。

  ザックリした式で表すならこんな感じではないでしょうか?

   収益=勝ち数✕平均利益額-負け数✕平均損失額

 このように、勝率が悪くなることより損失額を抑えることが、より重要だということです。そして、損失時の長期保有とは逆に、慌てて利益確定してしまうような人の心理にだけ任せていると難しい選択を迫られてしまうので、ある程度の投資ルール(ロスカットラインと収益側の利益確定ライン)の設定をすることが最良の方法であり、これが短期投資におけるリスクコントロールということになります。
 余談ですが、塩漬け株をつくってしまった方が「長期保有のつもりで持っています…」とおっしゃる方がいらっしゃいます。しかし、もともとトレンドで判断して購入した短期投資銘柄であって、ファンダメンタル分析をもとに購入した長期投資銘柄ではなかったはずです。これは長期投資でなく長期保有であって全く別物です。

次回に続く。。。