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新NISAでの資産形成、成功に導くカギとは

 いよいよ来年から新NISA(ニーサ)がスタートします。NISAとは少額投資非課税制度のことで簡単に言うと、投資で得た利益に対して税金を取らないという制度です。たまに誤解されている方がいらしゃいますが、NISAという金融商品はなく、NISAで投資をする金融商品は条件を満たした株式と投資信託(ファンド)になります。
 これまで「一般NISA」「つみたてNISA」といったように何種類かのNISAが存在していましたが、それを単にまとめただけでなく、利便性を高めるような改良を加えたのが、今回の新NISAだと思ってください。
 上手に活用すれば良い制度だと思うので、これを機に投資を始めてみたいと思う方もいるでしょう。

序章 ~投資に対する大いなる誤解

 そもそも投資は「お金がないとできない」と思っていませんか?もし、そう思って投資をすることを躊躇しているならば、実はそんなことはありません。

 株式や債券を購入するには、いまあなたが思っている通り、通常はある程度まとまったお金が必要になる場合もあります。さらに複数銘柄を保有したいと思っているならば、尚更です。だから、投資信託(ファンド)を活用することで、まとまったお金がなくても少額からの投資が可能なうえ、結果的に複数銘柄を保有することだってできるので、投資信託を活用する投資こそが、ある意味、投資をする際の万人にとっての最適解といわれる理由なのです。

 例えば、将来のために毎月10,000円積立しようと思ったとしましょう。タンス預金でも30年間続ければ360万円になってます。30年かかったとはいえ、360万円が手に入るのはうれしいですよね?ただ、額面どおり360万円貯まりましたが、決して360万円から殖えることはありません。これを額面よりも殖やすためには投資をするしかないのです。「360万円貯まったのならば、それでいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、昨今のようなモノの値段が上昇する状況では、いまなら360万円で購入できるモノが、将来には360万円では足りなくなる可能性が高いのです。
 このように、投資をしないということは額面上マイナスにならなくても、その価値がマイナスになるかもしれないという状況を“ご自身が受け入れている”ということに他ならなず、極論を言えば、戦わずして負けを受け入れるという状況とも言えます。

 では、どうすれば良いかというと“投資をすることで、モノの値段の上昇以上に殖やせばよい”と考えればいいのです。ここで、もうひとつ重要なことは「以上」だからといって「異常」な水準まで求めなるような欲深くなり過ぎないことですが、ちょっと上手くいくとヒトはこの欲に負けてしまいがちだから困ります。
 ちなみに、毎月3万円を30年間タンス預金をしたならば1,080万円、10年定期預金のような年0.002%で複利運用しても1,080万3,232円と“タンス”も“定期”も大して変わりません。ところが、もし年4%で複利運用できたならば2,082万円と同じ時間を過ごしているのに、ほぼ2倍近くになっているのです。

 何もしないよりは少額でもやった方がいい。同じやるならば、最低限の知識を持って無理のない方法を理解してやった方がいいということです。

本題 ~資産形成を考えるきっかけ

 昨今、とりあえず「投資をはじめてみようかな…」と漠然と思った方は多いのではないでしょうか?ここ数年は、米国も日本も株式市場にとっては良い環境でしたし、一般的に円安は物価高に繋がったことでマイナスイメージですが、海外に投資をしている人にとってはそれすらプラスに働きました。
 そのようななか、周囲の人やSNSなどでここ数年で儲かったという話を見たり聞いたりしませんでしたか?ただ「投資をはじめてみようかな…」と思ったキッカケの多くは、将来の生活に対する不安の要素が大きいと思います。そこで「NISA(少額投資非課税制度)」や「iDeCoや401Kといった確定拠出年金」の活用を思いつくわけですが、実際、始めようにもどうすればいいか分からないものです。そこで、口座開設方法や制度利用法などの事務的なことについてはSNSなどで情報を集めてもらうとして、“運用の考え方について、みんながやっているという意見を鵜吞みにして良いのか?”という話をしていきます。

自助努力と言われる年金運用はもともと誰の担当だったのか?

 昨今「老後の資産は自助努力で!」と言われますが、以前はどうしていたのでしょうか?実はその役割を『年金基金』が担ってました。現在でも「国民年金」と「厚生年金保険」は国によって運用されていますが、そのほかに個人単位でなく企業もしくは業界団体が自ら運用する「厚生年金基金」があり、そのほとんどが金融機関と二人三脚で運用をしていました。
 ところが時代の流れとともに、社会環境や投資環境の変化、運用を担当する金融機関の不祥事、年金法の改正などを背景として将来の年金支払いの責任が取れないのを確定拠出(年金原資となるお金を渡すから自分で殖やしなさい)という形で各自に努力と責任を求めたことで現在に至っているわけです。

長期での資産形成における王道(セオリー)

 そこで、いま冷静になって考えてみてください。SNSや雑誌などで情報発信されているようなレベルの知識を当時、二人三脚でやっていた金融機関が知らないと思いますか?まず、そんなことはありません(これは私もかかわっていたので断言します!)。
 ということは、いまSNSで発信されているような

 「分散しておけば大丈夫」
 「長期保有すれば損をしない」
 「株式だけで問題ない」

というほど、長期の資産形成は単純で簡単ではないということです。なぜなら、運用のプロが面倒見切れないと判断して現在に至っているのですから。。。

  一方で、SNSなどで情報発信している側の人たちが「どれだけプロの常識を理解してるのか?」と逆からの視点で考えると、私が見る限りでは非常に大きな疑問を感じます。
 収益重視でなくリスク管理を重視した超長期運用が基本となる「年金運用の世界」において「長期国際分散投資」が常識なのです。このことは東洋・西洋に関わらず、既に立証されている投資手法であり、これこそが“資産形成の王道”なのです。

最後に

 SNSの情報すべてが間違っているとは思いませんが、発信者側がどの程度、正しく理解しているのかはわかりません。そして、発言力が大きいとか、みんなが賛成しているのと、正しいことは別次元のはなしです。

 例えば、「リスク」という言葉一つとっても同じ金融でもクレジットリスクなのか、ボラティリティのことを指してるのかなどの違いがありますし、難平(ナンピン)買いとドルコスト平均法の効果説明が混ざっていたり、はたまた、ファンドに複利を適用して計算する問題点を知らなかったり、闇雲にシャープレシオで優劣を判断するなど、???となるようなことが多々見受けられるのです。

 だから、最低限の正しい知識を得て、自分で判断できるようになることが大事なのです。